園芸学会雑誌
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マイクロコンピュータ利用による青果物のO2吸収量, CO2排出量及びC2H4発生量の自動計測
稲葉 昭次久保 康隆中村 怜之輔
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1989 年 58 巻 2 号 p. 443-448

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抄録
青果物のO2吸収量, CO2排出量及びC2H4発生量の自動計測装置をマイクロコンピュータとガスクロマトグラフを使って開発した. また, 青果物の温度制御と任意の濃度のO2, CO2, N2及びC2H4の混合ガス作成とその流速制御もコンピュータを使ってできるようにした.
この装置の能力を調べるために, 成熟中のバナナ果実及び切断カボチャ果実を用いて, O2吸収量, CO2排出量及びC2H4発生量を連続的に計測した. またC2H4処理によるサツマイモの呼吸促進とモモ果実のCO2処理による呼吸及びC2H4発生量の抑制様相をも計測した. いずれの場合においても, 従来からよく知られている青果物の生理反応をガス代謝面から明確に捕らえることができた. とくに, 高濃度CO2処理下でのCO2排出量の測定やC2H4処理下でのC2H4発生量の測定が可能であった. したがって, 本装置は環境に対する青果物のガス代謝反応を解析するための十分な能力を備えていると思われた.
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