園芸学会雑誌
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キャベツの収量および遊離糖含量に及ぼす培養液中の窒素, リンおよびカリウムの影響
原 徹夫
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1989 年 58 巻 3 号 p. 595-599

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抄録
濃度を3段階 (低, 中, 高) とした窒素 (5, 50, 500ppm N), リウ (2, 20, 200ppm P) およびカリウム(5, 50, 500ppm K) を含む培養液でキャベツを約2か月間水耕栽培し, これら要素の供給量が結球収量と遊離糖含量に及ぼす影響について調査した.
全植物重および結球重ともに培養液中の各要素濃度の増加により低濃度区から中濃度区まで上昇し, 高濃度区で低下した. 植物体中の窒素, リンおよびカリウム含量は培養液中の各要素濃度の増加により著しく上昇した. 植物体中のフラクトース, グルコース, シュクロース含量は培養液中の窒素濃度の増加により低下し, その低下はシュクロースにおいて大きかった. リンおよびカリウム処理の場合は, フラクトース, グルコース含量はあまり変化せず, シュクローズ含量は中濃度区で高かった. 窒素低濃度区の結果を除外すると, 結球重と外葉のシュクロース含量との間に正の相関が認められた. 窒素低濃度区の場合にはシュクロースの集積が認められた.
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