シュッコンカスミソウ‘ブリストル•フェアリー’の露地栽培における花芽の形成過程を走査型電子顕微鏡を用いて観察した.
低温遭遇量の多い苗では, 花芽の形成は茎長が18cmに達した4月15日から20日にかけて始まり, その後がく片, 花弁が形成され4月30日前後に頂花において雄ずいが形成された. 5月5日から10日にかけて, 外見的には出ちい期を迎え, 頂花において雌ずいの形成が観察された. その後, 雌ずいが伸長し, 雄ずいの花弁化, ならびに花弁, 雄ずいの伸長へと進み, がく片が展開して5月30日には開花に至った.
一方, 低温遭遇量の少ない苗では, 花芽の形成開始が遅くなり, また下位節では花芽形成が起こらなかったが, 花芽形成開始後の頂花における花器原基の形成や発育は低温遭遇量の多い苗の場合と同様に進行した.