園芸学会雑誌
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リンゴ‘ジョナゴールド’果実の発育および貯蔵期間における果皮と果肉のACC含量, EFE活性の変化
Jamnong UTHAIBUTRA弦間 洋
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1990 年 59 巻 3 号 p. 685-690

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抄録

リンゴ‘ジョナゴールド’(Malus domestica Borkh.)果実のエチレン生成量は成熟前期(満開後60~140日)は少なく, 成熟期(満開後150日)に到ってもあまり変化がなかった. 満開後150日で収穫し, 20°C, 相対湿度90~95%で貯蔵すると, エチレン生成量が急激に増加し, 貯蔵20日目にピークに達した. その後は果実の老化によってエチレン生成量は減少した. CO2排出量は果実成熟に伴って典型的なクライマクテリック型呼吸パターンを示した.
エチレン生成酵素(EFE)活性は, 果実発育期間中は果皮および果肉ともにきわめて低かった. しかし, 満開後130~160日にはその活性が上昇し, さらに20°Cに20日間置いた果実ではより顕著であった. とくに果皮での活性が果肉に比べて高かった. ACC含量の変化は, 果実発育および成熟期間は収穫後果実の含量に比べ少ないが, 貯蔵期間中ではEFE活性やエチレン生成同様, 急激に増加し, 果肉中のACC含量が果皮のそれに勝っていた.

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