園芸学会雑誌
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リンゴ果実のNADP-リンゴ酸酵素の精製と生育および成熟に伴う変化
吉岡 博人青葉 幸二福元 将志藤本 國夫
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1991 年 60 巻 2 号 p. 449-455

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抄録
リンゴ果実に存在するNADP-リンゴ酸酵素の分子量はおよそ270,000であり, 同一サブユニットからなるテトラマーと考えられた. 本酵素はNADP+依存性であり, NAD+では活性と示さなかった. また反応にMn++,Mg++などの2価の陽イオンを必要とした. Mn++の存在下での至適pHは7.5であり, リンゴ酸とNADP+に対するKm値はそれぞれ1.0mMと20.8μMであった.Mg++存在下の至適pHは7.2であり, リンゴ酸とNADP+に対するKm値は4.OmMと60μMであった.
NADP-リンゴ酸酵素活性は成熟に伴い増加し, 晩生品種ほど活性増大は大きかった. またこの活性増大は酵素蛋白質の増大を伴うことを, ELISA法によって認めた.
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