抄録
葉のペルオキシダーゼアイソザイム分析により, ナシ属の187種•品種を同定した. 発育ステージおよび採取時期によるアイソザイム表現型の変化はみられず,再現性のある総32本のアイソザイムが認められた.130種類の異なるペルオキシダーゼアイソザイム表現型が得られた. 得られたアイソザイム表現型をクラスター分析を行い, 五つのグループが求められた.
芽条変異とその元の品種との識別ができ, '二十世紀'とその芽条変異の'おさ二十世紀', '早生二十世紀'あるいは'赤系二十世紀'との識別, また芽条変異の間でも区別が可能であった. '新高'や'新水'もそれぞれその芽条変異との識別可能であった.
交配品種とそれらの新品種のアイソザイム表現型を比較し, アイソザイムバンドの動きから交配品種がそれらの親品種のアイソザイムバンドをかなり受け継いでいることが認められた.
関東地方の古い品種と'二十世紀'を育種素材とした栽培品種が同じグループに含まれ, 品種間のかなりの類縁関係が示唆された.
関東地方の品種は大きく二つのグループに分かれたが, アイソザイム表現型では品種の地理的変異の少ないことが認められた.