抄録
カラジウム小植物体を長い明暗周期(16時間明期/8時間暗期)または短い明暗周期(2時間明期/1時間暗期)下で培養した.培養器内外のガス交換が行われた場合,明暗周期を短くすることによって小植物体の生長量が大きくなったが,培養器内外のガス交換が行われないように培養器を密封した場合,明暗周期の違いによる生長量の差は認められなかった.小植物体の日CO2吸収量を推定したところ,密封培養器においては明暗周期の違いによる日CO2吸収量の差はなく,培養器内外のガス交換が行われる場合のみ明暗周期を短くすることによって日CO2吸収量が増加した.これらの結果は,短い明暗周期の培養植物体に対する成長促進効果は,明暗周期を短くすることによって培養器外へのCO2の拡散量が減少し光合成に利用可能なCO2量が増加するために現れることを示している。