園芸学会雑誌
Online ISSN : 1880-358X
Print ISSN : 0013-7626
ISSN-L : 0013-7626
カットニンジンのエチレン処理による苦味発現の誘導ならびに環境ガス組成変更による制御
阿部 一博吉村 公一茶珍 和雄
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 65 巻 1 号 p. 193-198

詳細
抄録
カットニンジンの苦味発現に対する保持環境ガス中のC2H4濃度の影響を調べるとともに環境ガスの低濃度O2や高濃度CO2が苦味発現に及ぼす影響を調べた.
10ppmや100ppmのC2H4のみならず1ppmの濃度でもカットニンジンの苦味発現は誘導され,いずれのC2H4濃度でも,苦味に関与するイソクマリンの生成とフェノール物質の蓄積が誘導された.
カットニンジンの保持環境の低濃度O2(4%)もしくは高濃度CO2(18%)はC2H,(20ppm)処理による苦味発現や苦味に関与する物質の生成を抑制し,低濃度O2と高濃度CO2を組み合わせた場合にはほぼ完全に苦味発現と物質の蓄積を抑制した.
著者関連情報
© 園芸学会
前の記事
feedback
Top