抄録
カットニンジンの苦味発現に対する保持環境ガス中のC2H4濃度の影響を調べるとともに環境ガスの低濃度O2や高濃度CO2が苦味発現に及ぼす影響を調べた.
10ppmや100ppmのC2H4のみならず1ppmの濃度でもカットニンジンの苦味発現は誘導され,いずれのC2H4濃度でも,苦味に関与するイソクマリンの生成とフェノール物質の蓄積が誘導された.
カットニンジンの保持環境の低濃度O2(4%)もしくは高濃度CO2(18%)はC2H,(20ppm)処理による苦味発現や苦味に関与する物質の生成を抑制し,低濃度O2と高濃度CO2を組み合わせた場合にはほぼ完全に苦味発現と物質の蓄積を抑制した.