園芸学会雑誌
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植物生長調節物質によるキウイフルーツ'ヘイワード'の単為結果誘起について
小原 均井沢 純一木村 知広井 直樹松井 弘之平田 尚美高橋 英吉
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1997 年 66 巻 3-4 号 p. 467-473

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抄録

植物生長調節物質処理がキウイフルーツ'ヘイワード'の単為結果誘起に及ぼす影響を調査した。
開花1日前と開花後約1週間間隔でCPPUの1,2,5および10ppm溶液を花 (果実) に対し3回反復浸漬処理した結果, すべての処理で単為結果が高率で誘起された。それらの単為結実果は, 人工受粉果以上に肥大し, 成熟がやや早まっていた。一方, GA3およびGA4 (1000ppm3回) 処理では約20%の単為結果が誘起されたが, 果重は人工受粉果の約12%だった, また, Z (500ppm2回) およびBA (500および1000ppml回および2回) 処理を行ったところ, それぞれ60%, 20-40%の単為結果が誘起されたが, 果重は人工受粉果のそれぞれ約9%, 2~3%であった。
CPPU処理でほぼ100%単為結果を誘起し, 人工受粉果に匹敵する単為結実果を安定して得るためには, 2ppmでは開花1日前, 7日後および14日後の3回, 5ppmでは開花1日前および7日後の2回, 10ppmでは開花1日前の1回の処理を行う必要がある。

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