園芸学会雑誌
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シュッコンカスミソウ切り花の品質保持に及ぼす輸送環境の影響
土井 元章長井 伸夫今西 英雄
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1999 年 68 巻 3 号 p. 635-639

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抄録

小花が30%開花した段階で採花したシュッコンカスミソウ'ブリストル・フェアリー'の切り花に対して, 0.2mM silver thiosulfate (STS)と4%ショ糖を含む溶液で3時間の前処理を行ったところ, 小花の開花が促され, 品質保持期間が延長された.切り花の品質保持に対する低温輸送の効果は前処理の有無に関係なく認められたが, 予冷の効果は前処理を行った切り花でのみ認められた.輸送中に切り花が高温あるいは急激な温度の上昇にさらされると, 段ボール箱内でエチレンや二酸化炭素の蓄積が促され, このことがおそらく高温輸送下での黒花発生の一因であると考えられた.加えて, 25℃24時間の乾式輸送は, 切り花に著しい水ストレスを生じさせ, 輸送後の再吸水を不良にした.

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