園芸学会雑誌
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葯由来の半数性カルスのコルヒチン処理によるアジアティックハイブリッドユリ'コネチカットキング'の倍加半数体の作出
韓 東生新美 芳二中野 優
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1999 年 68 巻 5 号 p. 979-983

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抄録
本研究ではコルヒチン処理によるアジアティックハイブリッドユリ'コネチカットキング'の倍加半数体植物の獲得方法について検討した.葯由来の半数性カルスの生存率とシュート再生率は, コルヒチン濃度の上昇および処理時間の延長にともなって低下したが, 2倍性カルス細胞の割合は増加した.半数性カルス細胞の倍加とシュート再生率には, 0.25mMと0.5mMのコルヒチンを用いた48時間または72時間処理が良好であることが明らかとなった.コルヒチン処理された半数性カルスは半数体と2倍体植物を再生したが, 対照区(コルヒチン無処理)のカルスは半数性植物のみを再生したことから, これらの2倍体植物は半数性細胞が倍加されたことにより得られた倍加半数体植物であることが推察された.倍加半数体植物では, 葉の気孔サイズは半数体植物のものと比べ大きく, 子球もよく発達した.
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