2000 年 69 巻 1 号 p. 66-68
アサガオ(Ipomoea nil Roth.)'暁の紫'を用いて自家受粉機構と柱頭上での花粉発芽について調べた.つぼみ内でやくは柱頭より下位に位置していたが, そのうち90%のものは開花後柱頭の上位に位置した.アサガオは開花の過程で自動的に自家受粉を行い, 約40粒の花粉が柱頭に付着した.柱頭上での花粉発芽率は17%であった.花粉胚珠比は180で, 十分量の花粉での人工授粉と袋かけ状態での自発的な自家受粉に任せた花の間に種子稔実の有意な差は見られなかったことから, アサガオは主に自殖により種子を生産していると考えられた.