抄録
クルメツツジ品種にみられ, クルメツツジの原種とされるミヤマキリシマ, サタツツジおよびヤマツツジには認められなかったアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AAT)アイソザイムのバンド"112"と"104"を有する野生種ならびに品種を求め, 常緑性ツツジ野生種5種(モチツツジ, キシツツジ, ケラマツツジ, サツキおよびマルバサツキ)と, 園芸品種3群(リュウキュウ系, モチツツジ系およびオオキリシマ系)のAATアイソザイムを調査した.おもな国内の常緑性ツツジ園芸品種群の育成に関与した野生種の中で, "112"はキシツツジのみに, "104"はモチツツジおよびケラマツツジに限って認められた.加えて, モチツツジ, キシツツジおよびケラマツツジを原種にもつリュウキュウ系, モチツツジ系およびオオキリシマ系は"112"または"104"のバンドを有した.従って, クルメツツジ品種にみられた"112"と"104"のバンドは, それぞれキシツツジと, モチツツジもしくはケラマツツジに由来する可能性がある.