園芸学会雑誌
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電気分解中性水がバラ切り花の生け水および茎中の菌数に及ぼす影響
泉 秀実
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2001 年 70 巻 5 号 p. 599-601

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抄録

バラ'アサミレッド'の切り花を水道水(対照)あるいは電気分解中性水(電解水;pH6.8, 有効塩素濃度20ppm)に, 20℃下で7日間生け, 品質と保持期間を調べた.電解水は3日目以降に, ベントネックの発生と進行, 新鮮重の低下および葉の萎凋を抑制した.生け水中および水に生けた切り花の茎基部(3cm)中の菌数は, 5日目にはそれぞれ106CFU・ml-1および107CFU・g-1となった.一方, 電解水中では菌は検出されず, 電解水に生けた茎基部の菌数よりも, 水に生けた切り花の茎基部の菌数の方が, 保持期間中を通して10から100倍程度高かった.切り花の茎基部(3cm)における水通導性は3日目までに急速に減少したが, その減少量は電解水よりも水に生けた切り花で大きかった.

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