抄録
傷刺激によって刺激部から離れた健全な葉(個体内)が瞬時に褐変する現象が発見された.栽培種を含む6種のキツネノマゴ科, 13種のイワタバコ科植物においてこの現象が認められた.葉および茎の切断または葉の一部への傷つけ処理によって, 離れた健全葉に障害が発生した.障害部は柵状細胞に限られ, 褐変部は数日後黄変したが, 葉の枯死はなかった.傷つけ処理の数秒後に有傷部位から離れた健全部でクロロフィル蛍光強度が不可逆的に減少することが確認され, 非常に速い反応であることが示された.この現象は, 傷を含む物理的ストレスによる植物の新たな応答反応の存在を示唆するものである.