園芸学会雑誌
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樹別交互結実させたウンシュウミカン 2 品種の生産樹・遊休樹の細根量, 着花・新梢発生並びに葉・根中炭水化物濃度の比較
奥田 均野田 勝二木原 武士平林 利郎
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2002 年 71 巻 4 号 p. 588-590

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抄録

ウンシュウミカンの園地別交互結実法に適した栽培指針作成のため, 着果負担が根, 翌春の着花・新梢の発生並びに葉, 根の炭水化物濃度に及ぼす影響を普通温州の'青島温州'(隔年結果性 : 大)と'シルバーヒル温州'(隔年結果性 : 小)を供試して比較・検討した.発根に関して, 細根量は生産樹・遊休樹にかかわらず'青島温州'で多いものの, 着果負担は'シルバーヒル温州'の発根をより顕著に抑制することが明らかになった.着花性に関しては, 遊休樹には花が, 生産樹には発育枝が偏って発生し, その偏りは'シルバーヒル温州'より'青島温州'で顕著であった.炭水化物濃度に関しては, 着果の影響がみられたのは葉の可溶性糖類濃度および細根のデンプン濃度であり, その影響は概ね12月以降にみられ, それ以前にはほとんどみられず, また, 着果負担の影響は'シルバーヒル温州'より'青島温州'で顕著であった.

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