抄録
普通台木(PP樹),ユスラウメ台木(PT樹)や,ユスラウメ台木と親和性の高い中間台木('千曲'/PT:IS樹)に接ぎ木した'川中島白桃'ポット植栽樹を用いて15Nの吸収および分配について調査した.地上部の全ての部位での15N atom% excess,および地上部の15N吸収量はPP樹,IS樹がPT樹より有意に高かった.部位別では葉への分配が特に多く,全吸収量の55.7~61.3%であった.以上のことから,接ぎ木親和性の低い'川中島白桃'とユスラウメ台木の組合せにおいても,親和性の高い'千曲'を中間台木として利用することでN吸収が改善される可能性が示唆された.