園芸学会雑誌
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トウガラシ属植物のPMMoV抵抗性遺伝子(L4)に連鎖したDNAマーカー
松永 啓齊藤 猛雄平井 正志布目 司吉田 建実
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2003 年 72 巻 3 号 p. 218-220

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抄録
Pepper Mild Mottle Virus (PMMoV)に抵抗性を示すL4遺伝子に連鎖したDNAマーカーを探索した.L4遺伝子を有する抵抗性個体集団のDNAで特異的に増幅する1本のRAPD断片(WA31-1500)が認められた.さらに,WA31-1500の塩基配列を解析した結果を用いて新たにプライマーを作製した.このプライマーは1本の明確なDNA断片(WA31-1500S)をF2集団の抵抗性個体でのみ特異的に増幅させ,L4遺伝子とWA31-1500Sとの地図距離は1.5cM以下と推定された.また,WA31-1500SはL4遺伝子を保有する10品種・系統で増幅し,L4遺伝子を保有しない11品種・系統では増幅が確認できなかった.以上のように,WA31-1500SはL4遺伝子と密に連鎖し,トウガラシ腐植物のPMMoV抵抗性育種における抵抗性選抜マーカーとして幅広く利用できることが示唆された.
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