論文ID: 38.1831
構造格子を用いた地表水流れの平面二次元計算では,実地形では存在しない疑似的な窪地が発生する.本研究ではその窪地に四近傍窪地と名付け,山地を対象として,その窪地による潜在的な最大貯留量について検討した.その結果,DEMの解像度が低いほど四近傍窪地による貯留量が多いこと,またその多くが河道に相当するセルで発生することを明らかにした.また,平地での高解像DEMを対象とした検討も行った結果,四近傍窪地に起因する貯留は領域全体に広がるが,その水深は浅く,窪地の深さが浅い場合には氾濫計算で予測される浸水深さの分布に与える影響は大きくないことが予想された.