2009 年 77 巻 12 号 p. 995-998,a1
地域が主体となって維持管理する中・小規模農業用水路の補修に関して,その現状と受益者の意識について把握するために,アンケート調査を行った。その結果受益者が農業用水路の変状として捉えるのは,ひび割れと目地の割合が非常に高く,逆に水路表面の劣化や摩耗については大きな問題として捉えていない可能性が示唆された。また,現状では,簡易補修として適切な材料選択および下地処理が行われているケースは少なく,今後簡易補修のための材料選択,下地処理について明確化していく必要があることが明らかとなった。さらに,これらの水利施設に関する適切な知識を受益者が認識するために,簡易補修に関するリーフレットの配布や研修会の開催が有効であると考えられた。