北海道の畑作農業は府県に比べて経営規模が大きく, 規模に対応した機械化農業体系が展開されている。畑地潅漑という新たな技術を導入する場合, 作物体系, 栽培方式, 圃場区面, 機械化体系に適合した栽培管理技術と圃場潅水技術の検討を必要とする。このため, 干ばつ年の1984年について土壌, 作物の異なる10数地区のモデル圃場における潅漑実績と大規模畑作の潅漑事例調査をもとに畑地潅漑圃場技術を検討した。潅漑は5月から8月に集中し, 総潅漑水量は10~200mm, 潅水回数は1~17回と, 降水分布, 土壌条件によって差異がみられた。1回の潅漑水量は5~30mmと幅があるが, 平均して10~20mmで設計値の1/2~2/3の水量であった。