抄録
近年, 下水処理施設におけるコンクリートの腐食劣化が各地で問題化している。とくに工業排水を受入れる施設においては, 何らかの対策を迫られている。兵庫県が施工している揖保川流域下水道事業は家庭排水のほか皮革排水を受入れるべく計画されている。そのため昭和60年より受入れ排水の調査および, コンクリートの耐酸, 耐アルカリ性の検討を終え, 既設 (未供用) 下水管渠シールドニ次覆工内面の防食が必要との結論を得た。そのため防食対策としてコンクリート面に, 樹脂塗工を行った。本報は, それらのうち, 本工事に先だって行った現地試験塗工と, その成果について検討したものである。