1993 年 61 巻 4 号 p. 319-324,a1
関東平野北部地盤沈下防止等対策要綱が策定されて, 早くも1年が経過した。その経過を振り返るに, えてして地下の問題でもあり, 観念的な事柄や専門的な事項が多く, 時には地下水採取悪用論も出てくる。世界的に見て地下水は貴重な資源である。この貴重な資源をみくもに規制することを考えるのではなく, どう地下水と親しみ, かつ生活を共にするのかを考える時期に来ている。地下水は地域のおかれている地形, 地質等の条件によってかなり状況が異なっている。しかし, 基本的には地下水資源とどう関わっていくかは共通の問題であり, そのための参考として, 栃木県における農業の地下水利用の現状や課題についてまとめた次第である。