1993 年 61 巻 4 号 p. 325-330,a1
宮古島の砂川地下ダムにおける止水壁の建設工事が始まってから丸5年が経過しようとしている。工法として採用された原位置撹拌工法は, 本来基礎地盤処理のための仮設構造物を築造する目的で多く使用されてきた。この工法を地下ダム止水壁建設に適用するにあたり色々と工夫がなされている。止水壁建設対象地盤としての琉球石灰岩の土質は一様ではない。団結したもの, 未団結でもろいもの, 多孔質で透水性の高いもの, 粘土を含み透水性に乏しいもの, 大きな空洞があるものなどさまざまである。このような地盤に, 地下ダム止水壁としての強度をもち, 水密性の高い連続した壁をつくるためこれまで実施してきた施工方法について述べた。