近年の圃場整備により水田圃場での水管理が高度なものになってきた。北海道の水田においては, 圃場での水管理技術が冷害対策として重要である。本報文では, まず1993年の清の津地区の2圃場の調査事例を紹介する。この調査事例では, 異常低温時でも間断潅漑 (間断取水) が田内水温の上昇に効果的であることが明らかになった。また, 1980-84年の石狩川流域の調査事例から, 間断潅漑がすでに農家に取入れられている技術であること, 生育初期に間断潅漑が顕著であることを示す。これらの間断潅漑の実施を用水系全体で容易とするためには, 今後の用水計画で, 取水量の時間変動を考慮する必要がある。