農業土木学会誌
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印旛沼流域の水質環境
石川 重雄河野 英一
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1997 年 65 巻 6 号 p. 609-616,a2

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抄録

印旛沼の水質は, 1960年代からの流域人口の急激な増加により, 急速に汚濁が進行した。原因は, 正に新興住宅からの生活雑排水によるものであった。が, 1982年以降には下水道, 合併浄化槽等の普及により改善されてきている。特徴的なことは, 沼, 流入河川ともに全体的にT-N濃度は微増減の状態を示しているが, 逆にNO3-N濃度は増加の傾向を示していた。特に流入河川では, 浄化処理の進んでいる都市排水ではT-Nの低下と共に酸化の進んだNO3-N濃度が高くなってきていること, 一方, 農村部の多い流域では, 自然系によるものが支配的であることが認められた。また, 沼と流入河川の同一水質項目には高い相関がみられ, 河川の流入水が敏速に影響していることが推察された。

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© 社団法人 農業農村工学会
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