1997 年 65 巻 6 号 p. 605-608,a2
ある国で大干ばつが起きると思えば, また別の国では大洪水が起きるなど, 近年の世界的な気象の変動のなか, わが国でも異常気象が続いている。
ここ何年かの干ばつは静岡県も例外ではなく, 本県の主要農産物であるお茶・みかんも大被害を受けた。
静岡県の年平均降水量は2,200mmであり全国平均より上まわっているが, 長い歴史の中で潅漑システムを構築してきた水田と比較し, まだまだ, 潅漑施設の整備水準の低い畑地の占める割合の大きい静岡県では必然的に干ばつの被害を受けやすくなっている。
しかし, 地域によっては多少なりとも実情が違うようであり, その原因の1つが土壌による違いではないかと考え, 静岡県で実施されている畑地帯総合整備事業を通して考察する。