1999 年 67 巻 3 号 p. 265-270,a2
1990年からの7年間フィリピン共和国に滞在し, NGO農業ボランティァとして活動した。その間の経験, 特にPampanga州の農村で生活しつつ従事した潅漑プロジェクトを中心に述べる。主な内容は, 活動の動機, 準備 (特に現地での), 現地の事情, 中等農業教育の経験, 地域の農民組合の実態, ポンプ潅漑プロジェクトの指導, 地域で出会った日本のODAとの折衝, 農業NGO活動への考察と提言である。
本報文は限られた地域の体験を主に記述しているが, こゐ国全般にも適用できる事項が考慮されており, 農村の内部から見た現実が, 今後この国で働くODA従事者の参考にもなることを願っている。