水田地帯の水系ネットワーク内に, 生活史の一部を依存する魚種として, ドジョウやメダカがいる。しかし, 圃場整備事業による水系ネットワークの分断により, こうした魚の生息数の減少が報告されるようになった。そこで, 水系ネットワークの再構築の一手段として,「小規模水田魚道」を開発することを目的とした。実験の結果, カスケードM型と千鳥X型の小規模水田魚道を開発した。カスケードM型魚道は, ドジョウの飼旬型・遊泳型の遡上と降下行動を保証し, 急勾配でも遡上可能である。千鳥X型魚道は, 底生魚と遊泳魚の遡上・降下行動を保証する。また, 勾配や隔壁の形状および設置問隔など, バリエーションの展開が可能である。