農業土木学会誌
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河川と水田水域に連結する人工池が魚類の生息に果たす役割
杉原 知加子水谷 正一中村 智幸後藤 章
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2001 年 69 巻 9 号 p. 937-940,a1

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抄録

ため池などの二次的水域は, 生物にとって貴重な生息空間を有している。しかし, 河川や水田などの周辺水系を結んだ水域ネットワークにおける, ため池の生物の生息場としての機能を評価した研究は数少ない。そこで, こうした条件を持つ人口池が, 魚類の生息に果たす役割を解明することを目的として調査を行った。
魚類は, 河川から池, さらに水路・水田へ遡上した。河川から池への魚類の遡上目的は, 産卵と生育の2つに分類できた。また, 多くの魚種が産卵後も池を生育場として利用していることが確認された。したがって, 池はほとんどの魚類の生育場となり, 生まれた仔雑魚の成長の場として利用されていることがわかった。

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© 社団法人 農業農村工学会
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