農業土木学会誌
Online ISSN : 1884-7188
Print ISSN : 0369-5123
ISSN-L : 0369-5123
生態系に配慮した圃場整備技術研究の現状と展開方向
長利 洋奥島 修二
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 71 巻 11 号 p. 981-984,a1

詳細
抄録

かつて, 水田地域の生態系は豊かであったが, これまでの生産性を重視する水田工学 (圃場整備) が生態系の危機をもたらした一因であることが指摘されている。
豊かな生態系を取り戻すために, 環境との調和に配慮した研究が多々実施されているが, ここでは環境に配慮した圃場整備技術に関して, 以下の視点からの研究を紹介している。(1) 区画の拡大に伴うビオトープ空間の喪失: トンボを中心としたため池 (湛水休耕田) 配置に関する研究,(2) 湿田の乾田化に伴う生物生息空間の悪化: 生物生息空間維持のための維持管理に関する研究,(3) 用・排水路の構造問題: 水系ネットワークの重要性, 分断解消のための小規模水田魚道やポーラスコンクリート等に関する研究。

著者関連情報
© 社団法人 農業農村工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top