食料・農業・農村基本法が制定される直前の1977年に, 兵庫県小野市きすみの地区の圃場整備実施区域内で, ビオトープ型水路作りなどの生態系に配慮した工事が行われた。生態系配慮型の工事を真に実りのあるものにするには, 施工方法というハード面とともに, 維持管理のためのシステムをどのように築き上げていくかというソフト面が重要である。
本報は, きすみの地区での工事が生態系配慮型に変更されたいきさつや, 過程, モニタリング, 維持管理などについて, その工事を側面から支援した者の立場で書き上げたものである。