バイオマス資源を生産する農林業の特性を視野に入れ, 第一に農業を対象としたLCA的分析・評価における配慮事項を,(1) 炭素固定 (CO2吸収) の取扱い,(2) 分析境界の設定,(3) 対象とする機能の取扱い,(4) 対象評価項目など, 資源としての特殊性に基づく枠組みの考え方や手法に関する問題点について整理した。続いて, 主要農作物を対象とし, 産業連関分析法などを活用したマクロ的視点のアプローチと生産基盤・生産プロセスの各段階における投入産出を積み上げるミクロ的アプローチによるライフサイクルのエネルギー消費量・CO2排出量の試算や比較を通して, 農業のLCA的分析・評価における枠組み, 手法上の留意点, 課題について考察した。