冷水温の灌漑用水を利用する神奈川県足柄平野の水田地域において, 水管理形態の相違が圃場での水温や地温ならびに水質に及ぼす影響を調査し, 流域内での圃場の環境特性を検討した。その結果, 灌漑期を通して昼間水止め灌漑を実施することで, 1.7~8.1℃の水温上昇効果が見られた。しかし, 昼間水止め灌漑が地温に及ぼす影響は小さかった。水質動態としては富栄養化物質であるT~NとT-Pが濃度の減少傾向を示した。さらに, 昼間水止めの水管理による排水量の減少により排出負荷量が減少していた一方, 掛け流しの水管理であると排出負荷量は増加の傾向を示していた。