先の第3回世界水フォーラムを初め色々な場で, 統合的水資源管理 (IWRM), 水の市場化 (Water Market), 水の価格付け (Water Pricing) 等の議論が展開されている。
オーストラリア南東部ニュー・サウス・ウェールズ州, マレー川流域においては, 1995年以降幾つかの政府公社が民営化され, 灌漑用水供給会社になった。同流域では, これらの会社が水利権の設定, 従量制の水価格の設定, 水の割当と水の供給, 水取引を仲介する水市場の運営等に関わっている。
本報では, この内の1つについて, 会社の形態・業務, 民営化前後の変化等について概要を紹介するとともに, 日本の灌漑用水との対比についても考察する。
