山形県庄内地方は, 秀峰鳥海山・月山を擁し, 山形県の母なる川最上川などの清流に恵まれ, 有史以来の稲作に育まれた4万haを超える美田を中心として, 優れた農村景観を形成している
本報では, 農村景観に関する住民へのアンケート調査に基づき, 景観法 (平成16年公布) の実効性という観点を踏まえ, 農村景観の評価と保全に関する考察を試みた。
アンケート結果によれば, 地域の農村景観に対しては肯定的な評価が多く, また地形条件等の相違により景観の評価対象が異なることが分かった。さらに, 景観法に関係する「規制的手法」や「共同的活動」に対しては, 今後一層の理解を得る必要性が確認された。