2004年7月12日夜から13日にかけて, 新潟県中越地方では記録的な豪雨を観測した。この豪雨によって, 新潟県内では, 刈谷田川, 稚児清水川, 五十嵐川などで合計11カ所が破堤し, 広い範囲で浸水被害が発生するとともに, 山地・丘陵地域では地すべりや崖崩れなどの土砂災害も多数発生した。見附市の宮之原地区では, 刈谷田川の破堤によって16.6haが浸水し, このうち, 水田, 畑, 農道, 水路では計11.5haが堆砂の被害を受けた。破堤によって5.44×10
5m
3もの濁流水が流入し, 21.2×10
3tもの土砂が運び込まれた。水田の冠水深は最高時には3.4mにまで達した。この濁流水には重量比で3.9%(浮遊流砂濃度) の多量の土砂が含まれていることを明らかにした。
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