平成16年は台風23号を始めとする観測史上最大の10個の台風上陸, 新潟県中越地震等未曾有の災害の多い年であった。ため池も4,573カ所が被災, 決壊も340件以上, 被害額255億円に及び, 過去最大級の被害となった。
このため, 平成17年1月に農村振興局内に「ため池緊急点検検討会」を設置し, ため池決壊等の危険度評価のための指標作りに着手した。この検討会で検討された事項のうち, ため池の決壊危険性を判定するため, 多変量解析 (主に判別分析) を応用し開発した決壊危険度評価指標について報告する。