緑資源機構は1985年以来, 20年にわたり, 西アフリカのサヘル地域を拠点として, 砂漠化防止対策に取組んでおり, その成果を「サヘル地域砂漠化防止対策技術集」として取りまとめ, 第3回世界水フォーラムにて発表するなど, 広く関係機関に提供した。これらの取組みにより平成15年度には農業土木学会「上野賞」を受賞した。またこれらの成果を踏まえ, 緑資源機構は国際協力機構からの受託調査として, 昨年度よりマリ, ブルキナ・ファソで砂漠化防止対策調査の第2フェーズを開始している。
「サヘル地域砂漠化防止対策技術集」の内容については農業土木学会誌Vol.70 No.11に既報のとおりであるが, 本報では,「上野賞」受賞記念報告会および第20回海外事情講演会での発表内容を基に, 緑資源機構が砂漠化防止対策に取組むことになった背景を中心に調査の概要, これまでの成果を再度整理するものである。