2006 年 74 巻 5 号 p. 433-434,a3
宮城県北部の迫川上流域には, 国営迫川上流 (二期) 農業水利事業の完了により, 4カ所のダムが整備された。この地域の下流に位置する伊豆沼・内沼は, ラムサール条約に登録されており, 上流のダム湖と沼の間に広がる水田地帯には, 毎年多くの渡り鳥が飛来する。近年, 伊豆沼・内沼への渡り鳥は, 増加の一途をたどっており, このような集中化による渡り鳥問の伝染病や生息環境の悪化が危惧されている。このため, 渡り鳥の生息調査を実施し, 4カ所のダム湖の果たす役割, さらに迫川上流域内の有機的な連結であるエコロジカルネットワーク形成のための環境条件と可能性について検討を行ったものである。