2006 年 74 巻 5 号 p. 441-442,a4
近年, 佐賀平野のクリーク (用排水路) は, クリーク内で起こる波浪や水位変動の繰返しなどによって, 水路法面が崩壊するとともに, 水路への泥土が堆積し, 水路閉塞による湛水被害が懸念されていた。このため, 佐賀県では本来クリークが有する洪水調整機能などを回復させ, 住民の生活・生命・財産を守るため, コスト縮減を主眼とし, かつ自然環境に配慮した工法で平成11年より県営クリーク防災機能保全対策事業に取組んでいる。ここでは, 整備前後のクリークで生態系調査を実施した結果を元に, 本事業が自然環境に与える影響をまとめたものである。