農業農村工学会誌
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輝北ダム貯水池内法面対策工の設計施工について
荒木 富美雄関 政則阿南 親士千原 英司
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2008 年 76 巻 12 号 p. 1101-1105,a2

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抄録

曽於南部農業水利事業で建設された輝北ダムは, その地形的特徴からダム貯水効率のよいダムサイトに造られた重力式コンクリートダムである。しかし南九州の火山噴出物からなるシラス等の特殊土壌地帯に位置することから貯水池斜面の崩壊等が懸念され, その貯水池斜面の保全と漏水に対して細心の注意が払われて設計が行われた。貯水池内法面崩壊対策保護工は, まず, 近傍で同様な地質条件下にある高隈ダム (運用中) 貯水池の斜面状況調査を実施し, 斜面崩壊のメカニズムや, 崩壊位置の予測を行った.対策工法は, 急崖をなすシラス斜面や, ボラ等の軟弱な地質から構成される斜面に対し, 切土工法と盛土工法および浸食防止のための保護工を行った。本報では, 特にシラス斜面対策工法の中で, 盛土材として近傍に分布するシラスあるいは崖錘堆積物等の現地発生材を用いることが求められたことから, その設計, 施工, 管理方法等についてとりまとめている。

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