農業農村工学会誌
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砕・転圧盛土工法による老朽ため池・フィルダムの堤体改修の特徴
谷 茂福島 伸二北島 明五ノ井 淳西本 浩司
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2008 年 76 巻 8 号 p. 729-733,a3

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抄録

わが国には多数の築造年代の古いため池やフィルダムがあるが, その多くは老朽化して堤体が断面不足や漏水等により早急な改修が必要とされている。しかし, 最近では池近傍で改修に必要な所要の強度と遮水性を有する築堤土を入手し難しくなってきている。そこで, 筆者らは老朽化したため池やフィルダムの堤体の効率的な改修を目指して, 池内の底泥土を固化処理して築堤土に活用できる砕・転圧盛土工法を開発してきた。この工法は堤体改修と底泥土の除去が同時に達成でき, 所要の強度と遮水性を有する築堤土を人工的に製造できることから急勾配法面による改修ができる利点を有している。本報は, これまでに砕・転圧盛土工法を採用して実施された堤体改修 (補強と漏水防止) の事例が7件と蓄積されてきたことから, 各事例で採用された堤体ゾーニングを幅広コア型とコア・ランダム型に分類し, 各ゾーン型式の特徴について述べたものである。

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