2016 年 13 巻 1 号 p. 1_1-1_8
大学は,地域の多様な課題に対して,地域と連携してソリューションを提供する場となることが求められている.しかし,大学の地域連携に関しては,現況が十分に把握されておらず,また,議論も十分に重ねられてきたわけではなかった. そこで本稿は,アンケート調査結果を中心に大学の地域連携の取組状況を明らかにし,大学の地域連携の活動現況と課題を抽出した.大学等が挙げる地域連携活動の課題としては,教職員や資金の不足との指摘が多かった.今後,更に地域連携活動を展開するためには,人的・予算的なリソースの確保が重要な課題となるであろう.同時に,大学の地域連携活動は,地域連携の取組を単体として捉えるのではなく,研究・教育につながるシステムとして捉え,大学の組織特性や地域環境・ニーズに合わせ支援していくことが必要である.