抄録
1998年の大学等技術移転促進法によって実質化した我が国の産学連携は,その後の国立大学法人化を機に各大学で産学連携支援組織の整備が進んだ.この間の産学連携の質的変化を,支援人材育成の場であるUNITT AC(ユニット・アニュアル・カンファレンス)のプログラムの変遷に着目して分析を試みた.その結果,技術移転や共同研究,ベンチャー,知財管理などが産学連携の基本要素として位置づけられつつも,産学連携活動が経時的に専門化・高度化・多様化する傾向にあることが明らかとなった.さらに近年は,大学を母体とした“プロ・イノベーション"指向の活動が産学連携の現場で増加する傾向にあることも明らかとなった.