抄録
(財)化学技術戦略推進機構(以下JCIIと略す)は設立以来,「社会の持続可能な発展と産業の国際競争力強化」の実現に向けて,産学官のイコールパートナーシップの基本認識の上で,三者の連携による新化学技術体系の創出を進めている.その中心的な方法論がロードマップである.我々にとってのロードマップとは,産学官の複数の専門家が未来価値(ビジョン)を共有して,その実現に至る道筋(プロセス)と中間目標(マイルストーン)を共有化する方法と考えており,その価値は将来を可視化し,共有化することにあると理解している.
本稿では,JCIIが最近とりまとめたST(サステイナブル テクノロジー)/GSC(グリーン・サステイナブル ケミストリー)ロードマップを例に,ロードマップ策定の経緯と概要,展開活用に関する考え方を紹介する.