抄録
研究評価と産学連携が効果的に実施されていれば両者の間には相関関係があるはずとの仮説に基づいて,産総研の研究ユニット評価と代表的な産学連携活動の相関分析を行った.評価課題点と共同研究件数,特許外国出願件数との間には相関(0.2≦│R│<0.4の弱い相関,5%有意水準)があること,他の産学連携活動(技術相談件数,外部資金額,外部資金割合,技術研修受入人数,客員(外来)研究員受入人数,特許国内出願件数,ベンチャー創出数)との間にはほとんど相関がない(0.0≦│R│<0.2)か,負の相関があることが分かった.限定的ではあるが,研究ユニット評価と産学連携活動との間には相関関係があることが検証された.今後は,アウトカムを踏まえた研究評価と産学連携活動との相関分析を行い,研究評価と産学連携のあり方を検討することが課題である.