抄録
本稿では,産学連携の一モデルとして,大学の有する調査・評価手法を応用した共同研究事例を報告する.本共同研究では,(株)ティナプリのエステティックサロン移転に際し,九州大学ユーザーサイエンス機構(以下,USI)の有する感性評価技法を応用した.まず,移転前のサロンに対して感性評価を実施し,その後,感性評価を参考として新しいエステティックサロンを設計し,再度感性評価を実施した.結果,感性評価を用いて新旧サロンの違いを明確に示すことができ,新しいサロンでは評価が飛躍的に向上したことが示された.本結果より,感性評価を応用することでユーザーの意見を取り入れたエステティックサロンづくりに貢献できること,さらに新旧の差異を評価できることが明らかとなり,大学の有する調査手法の応用も産学連携の一つの有効なモデルであることが示唆された.