抄録
本研究は嫌気性硫酸塩還元条件における高分子リグニンの分解について調べたものである。硫酸塩還元条件で,セルロースを共存基質として与え連続運転を行い,高分子リグニンの変化を定性的,定量的に追跡した。特に,高分子リグニンの分解に伴う分解産物として水溶性低分子リグニンであるAPPL (Acid Precipitable Polymeric Lignin) や芳香族化合物に着目した。
その結果,高分子リグニンは硫酸塩還元条件下で最大12%の減少 (分解速度としては3.49mg/L/day) がみられ,低分子リグニンの構造を持つAPPLは増加する傾向を示した。この時hydrocinnamic acidなどの芳香族リグニンモノマーも同時に検出された。本研究の結果から高分子リグニンは硫酸塩還元条件下で,共存基質としてセルロースを利用して分解が促進されること,また,その分解が低分子化によって起こることが明らかになった。