廃棄物資源循環学会論文誌
Online ISSN : 1883-5899
Print ISSN : 1883-5856
ISSN-L : 1883-5856
最新号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
論文 若手研究者特集 2024
  • 八景 勇樹, 星 堅人, 樋口 良之
    2025 年36 巻 p. 9-18
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/05/09
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の対象は,一般廃棄物処理施設のストーカ式焼却炉に併設されるごみピットとピットクレーンである。ピットでの作業の目的は安定焼却の実現であり,長期連続運転と均質化されたごみをホッパへ適宜に投入することが求められる。また,人材不足の今日,ピットクレーン運転の省人化は喫緊の課題である。このため,さまざまな可能性を有する強化学習を適用したクレーン自動運転支援システムを検討し,その効果を検証した。実機でのさまざまな検証は現実的でなく困難であるため,ピットの構造とクレーンの挙動などについてモデリングした離散系システムシミュレーションを活用した。強化学習では,長期連続運転と均質化されたごみをホッパへ適宜に投入する目標に寄与する報酬を与え,ピット状態と時間帯に応じたクレーン作業を学習させた。学習結果に基づくクレーン作業の検証により,長期連続運転と均質化されたごみのホッパ投入の実現を確認できた。
  • ――認知的危険性,認知的困難性,煩わしさ,容器容量への認知 および安全不十分な排出実績に着目した検討――
    杉本 大輔, 高橋 史武
    2025 年36 巻 p. 19-33
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/06/22
    ジャーナル オープンアクセス
    感染性廃棄物が安全不十分な排出に至るメカニズムは不明な点が多い。本研究は容器状態に対する危険認知度や排出行動に対する煩わしさ,認知的困難性などに着目して仮説を提示し,感染性廃棄物の安全不十分な排出メカニズムに関する新たな知見を得ることを目的とした。安全排出な医院と比べて安全不十分な排出をした医院(懸念排出医院)では,容器状態や排出行動に対する関心の低さが示唆された。危険認知度や煩わしさ,認知的困難性は排出メカニズムに影響を与えていない。容器の汚れが接触忌避感を引き起こし,蓋を足で押して閉める行動を誘発し,不完全密閉へ至る。また,分別方法が難しいと認知されると,容器への無分別な投入に伴い,容器変形が誘発される。懸念排出医院では容器容量が小さいと認知する傾向にあり,容器への過充填(過重量)や不完全密閉が誘発される。さらには過重量が容器変形,容器破損,内容物のはみ出しを誘発させていると示唆された。
論文
  • 土手 裕, 原田 秀樹, 関戸 知雄
    2025 年36 巻 p. 1-8
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/05
    ジャーナル オープンアクセス
    CIS系廃太陽光パネルから分離された基板ガラスをコンクリート用細骨材として利用した場合の環境安全性を評価するために,基板ガラスの骨材試料および暴露環境における状態を模擬した試料(以後,利用模擬試料と呼ぶ)を対象に,含有量・溶出量試験を行なった。また,溶出液pHのセレン (Se) 溶出に与える影響についても検討した。その結果,利用模擬試料は,細骨材との体積置換率10%で含有量,溶出量ともに環境安全品質基準を満足したことから,基板ガラスの体積置換率10%以下で環境安全上利用可能であるといえた。また,骨材試料溶出量を用いて環境安全品質基準を満足する基板ガラス重量割合を予測できた。さらに,溶出液pHが10から13に増加するとCIS系廃太陽光パネル骨材試料からのSeの溶出率が6%から25%に増加し,pH増加によるSeの溶出促進が認められたが,体積置換率10%以下では,高pHによるCIS系廃太陽光パネル骨材からのSe溶出促進効果は小さかった。
feedback
Top